高原のログハウス 7
中学生のころ家族で野尻湖に行き、湖のほとりの外人のコテージに、雨が降りだしたら傘の代わりに頭を覆えるほどもあった朴の葉が強く印象に残っていました。
女房に「中学生のころの外人コンプレックスが現れたのよ」と笑われながら、植木屋を走らせて標高1400メートルの高原に育つという朴を手に入れました。
体力のなさを嘆きながらも、少しずつ山で仕事をするにつれて、男は自分が元気を回復してゆくのが分かります。
森の中を歩き回り、暖炉用の木を拾うのは楽しい仕事です。
山では、雨や寒い日は7月にも火が恋しいもの。
やがて、男は自然に、気がむけばお茶を入れ、料理を作り、風呂の掃除をし、洗濯をするようになりました。
都内では仕事一途で、それは皆女房の仕事、と思い込んできたのだが・・・。
家族との接触が増え、家族ぐるみの交際の範囲も広がりました。
そして気がついたら、2人は都心に出て食事をする習慣からすっかり遠のいていました。